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 日本における「TED」の登録商標について

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こんにちは、アポロ商標特許事務所の弁理士、荒川です。

 

フジテレビがパロディネタにしたTEDの商標登録について 」 という記事が、Yahoo!のトップ記事に掲載されていました。

 

同記事では、フジテレビがプレゼンテーション番組「TED」のパロディネタをやったが、これが「TED」のライセンスを受けていない疑惑があること、及び、一方で、本家「TED」も日本では商標登録をしておらず、東和薬品が商標登録している旨が書かれています。

 

では、実際に、東和薬品の商標をみてみましょう。

登録番号 第5638715号

商標: TED (標準文字)

登録日 平成25年(2013)12月20日

出願日 平成25年(2013)6月28日

存続期間満了日 平成35年(2023)12月20日

権利者 東和薬品株式会社

商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務

第5類 薬剤(農薬に当たるものを除く。)
第16類 印刷物
第36類 医薬品に関する事業への助成金の交付,

      助成金の給付のための調査並びに計画の立案及び運営,

      慈善のための募金
第41類 医薬品に関する知識の教授,

      セミナーの企画・運営又は開催,

      電子出版物の提供
第42類 医薬品の試験・検査・研究又はこれらに関する情報の提供
第44類 医薬品に関する医療情報の提供

 

第41類の、「セミナーの企画・運営又は開催」が、プレゼンテーション番組「TED」の提供するサービスと類似すると思われる部分です。

 

 

では、本家TEDは、もう打つ手なしでしょうか。

今回は、このケースに限らず、自分の使いたい商標が、他人に取られてしまっていた場合、どのような手段があるのか、考えてみたいと思います。

 

まずは、前記記事でも記載のある通り、ライセンスや一部譲渡などが考えられます。

友好的な解決手段で、お互いに合意があれば、スムーズに解決します。

 

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つぎに、商標登録を無効にすることが考えられます。

他人の登録商標に、無効になるような理由が存在した場合には、無効審判を請求し、遡及的に消滅させる手段です。

しかし、この場合は、言わずもがな、敵対的手段となり、他人の商標の出願時に、自分の商標が既に周知・著名であった、などの無効理由を証明するのも、なかなか困難でしょう。

(同様の手段として、登録から間もない時期ならば、異議申立ても考えられます。)

 

 

そして、取消をすることが考えられます。

登録から3年以上継続して使用されていない場合には、不使用取消審判を請求することができます。

また、当該他人の商標の使用に不正な使用があった場合には、不正使用取消審判を請求することができます。

ただし、これらの場合は、登録日から消滅するわけではなく、審判請求登録の日や、審決確定の後に消滅することに注意が必要です。

 

この他、自分の商標態様や、商品・サービスを非類似のものに変更するなど、争いを避ける方向の手段も考えられます。



このように、いくつか対抗手段をあげましたが、基本的には、やはり自分の使用する商標は、あらかじめ調査をし、自分で商標登録をしておくことが大切です。

1区分であれば、10万円前後で登録できてしまいます。

このお金は、後に商品名・サービス名の一からの変更を迫られた場合の費用や、損害賠償請求されてしまった場合の費用に比べたら、安いものだと思います。




自己の商標を安心して使用するためにも、商標登録をおすすめします。