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 商標権の侵害について

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あなたの会社・お店の商品やサービス、商標調査や商標登録はお済みですか?

もし、調査もせずに使用している場合、他人の商標権の侵害になる可能性が大いにあります。

商標権を侵害してしまったら、どうなるのか

とはいっても、一般の方で、商標権について詳しく知っている方は、ほとんどいらっしゃらないと思います。

知的財産について、学校でしっかり学ぶ機会もありませんので、仕方のないことかもしれません。

しかし、実際に、あなたに商標権侵害で警告書が届いたときには、仕方がないでは済みません。

なぜなら、商標権者が警告書を送付する場合、それなりに商標権の侵害の確証が得られてからということが多く、使用を中止せざるを得なくなった場合、それまで商標を使用していたウェブサイト、広告、備品等、全てを変更・破棄しなければならないからです。

商標権者に業務上の損失が生じていた場合には、損害賠償請求をされる可能性もあります。

最悪の場合、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はこれの併科という、厳しい刑事罰もあり得ます。

お客様からの信用も大きく失墜してしまうでしょう。

侵害者側によくある言い分

 「今まで無事に何事もなく使用してきたんだから、大丈夫」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、商標権者が、自己が保有する登録商標の商標権をいつ行使するかは、商標権者次第です。

 今まで何もなかったのは、単に、商標権者が、あなたの商標権侵害の証拠を着々と収集している期間だからなのかもしれません。

「類似する登録商標があっても、うちは大分前から使っているんだから大丈夫」、と思われる方も多いです。

確かに、商標法にも、他人の商標登録出願前から、その商標を使用していた人に使用権が認められる「先使用権」(商標法第32条)が規定されています。

しかし、この「先使用権」が認められるためには、一定程度以上、周知でなければならないという、非常に厳しい要件が課されています。

このハードルをクリアするのは相当に困難で、いざ商標権者と訴訟などになったときは、高い広告費をかけたり、頻繁に広告したりして、周知であったことを証明しなければなりません。

「登録商標だなんて知らなかった」と回答される方もいらっしゃいます。

しかし、特許庁の審査を経て、登録になった商標は、全て「登録公報」が発行され、広く一般に公開されています。

また、J-PlatPatというデータベースを使えば、誰でも、登録商標や出願された商標を検索することもできます。

すなわち、業として商品の販売やサービスの提供をする者が、登録商標や出願された商標に注意できる機会は、十分に与えられているのです。

登録商標だと知らなかったのは、単に事業者側の落ち度ですし、他人の登録商標だと知りながら使うなんていうのは言語道断です。

「少しくらい使わせてくれてもいいじゃないか」という回答も、中にはあります。

急に警告書が来て、すぐに中止したくない気持ちも、よく分かります。

しかし、商標権者側も、自己の大切な商標を、それなりの時間とお金をかけて、登録したのです。

赤の他人に、勝手に登録商標を使用され、自己の信用を毀損されては、たまったものではありません。

お客様のためを思えば、商標登録

「でも、商標登録には、お金がかかるでしょ?」

はい、確かに、商標登録にはお金がかかります。

しかし、商標権の存続期間は10年もあります。10年間、商標権があなたのブランドをしっかりと保護してくれると思えば、安くありませんか?あなたの商品やサービスへの思い入れは、そんなものなのでしょうか?

前述のとおり、いざ、商標の問題が起こってしまうと、今まであなたがその商品名やサービス名の上に築き上げてきた信頼が、一気に崩れ落ちます。

あなた自身のブランド価値を損なわないためはもちろん、あなたの商品やサービスを愛してくれるお客様のことを思えば、きちんと商標調査・商標登録をしておくことをお勧めいたします。