【新しいタイプの商標】まとめ
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初めての審査結果の公表
弊所ブログでは、これまで、各新しいタイプの商標について、紹介させていただきました。
そして先日(2015年10月27日)、新しいタイプの商標の初めての審査結果が公表されました。
これを受けまして、新しいタイプの商標について、まとめてみたいと思います。
結果は、以下の通りです。
(特許庁Webサイトより引用)
「色彩のみからなる商標」の登録のハードルの高さ
結果を見ますと、新しいタイプの商標のうち、4月1日の出願件数が一番多いのは、「色彩のみからなる商標」(192件)であり、「色彩のみからなる商標」への関心が高さが窺えますが、今般、登録査定となったものは、1件もありませんでした。
前記記事「【新しいタイプの商標】色彩のみからなる商標」の中でもご説明したとおり、色彩のみからなる商標は、通常使用されていなくても、使用され得る色であったり、模様や背景色として使用され得る色も登録することはできず、その登録のハードルは、非常に高いものです。
また、本記事掲載日(2015年11月5日)現在、本年4月1日に出願された「色彩のみからなる商標」の経過情報を数件見てみましたが、私が見た中では、出願後の経過情報は特に確認できませんでした。
したがって、「色彩のみからなる商標」については、慎重に審査がされているか、若しくは、経過情報には未だ反映されていないものの、既に拒絶理由通知書が出されていて、出願人に識別力を有することの証明を求めている可能性が高いものと推察されます。
「色彩のみからなる商標」の登録査定 第1号が待ち遠しいですね。
「動き商標」の登録率は高い
一方で、「動き商標」は、4月1日に出願されたものが32件、今般、登録査定となったものが16件で、高い登録率となっているようです。
実際に出願された動き商標を見てみると、既に図形商標として登録されている企業のロゴやキャラクターが動くようなものが多いことがわかります。
このような既に登録されている商標が動くものは、識別力も認められる可能性も高く、このような高い登録率になったものと思われます。
目立つ「ホログラム商標」の出願件数の少なさ
「ホログラム商標」の出願件数は、4月1日時点で、わずか3件と、他のタイプの商標に比べて、非常に少なくなっています。
実際の出願を見てみますと、クレジットカードサービスに用いられるホログラム商標が多いようです。
ホログラム自体があまり商品やサービスに使用されていないことから、出願件数も少ないものと思われます。
新しいタイプの商標は今後も増える?!
商標の最も重要な役割は、自他商品・役務を区別できる「識別力」であり、これが認められれば、「香りの商標」や「触感の商標」など、今後も新しいタイプの商標が出てくるかもしれませんね。
なお、弊所では、上記新しいタイプの商標、 「色彩のみからなる商標」、「動き商標」、「ホログラム商標」、「音商標」、「位置商標」の出願も承っております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。