早期審査制度とは何ですか?

商標登録出願は、通常、出願してから約7カ月後に、審査の結果が通知されます。

しかし、場合によっては、早期の権利化を要するものもあるかと思います。

 

そんなときに、ぜひ、ご利用いただきたいのが、商標登録出願の早期審査制度です。

早期審査を利用すると、通常、出願から約2か月程度で登録となります。

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早期審査の対象となる出願

 

早期審査の対象となるのは、下記の(1)(3)のいずれかに該当する商標登録出願です。

なお、今年より導入された新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標) は、早期審査の対象外となっていますのでご注意下さい。

 

(1)出願人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、権利化について緊急性を要する出願

※「権利化について緊急性を要する出願」とは、次の①~⑤のいずれかに該当するものをいいます。

① 第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用している又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合

② 出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合

③ 出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合

④ 出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合

⑤出願商標について、出願人がマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願の基礎出願として国際登録の出願を行う場合

 

すなわち、上記(1)の要件に該当する場合は、全ての指定商品・指定役務について使用している必要はありません。

 

 

(2)出願人又はライセンシーが、出願商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している出願

 

上記(2)の要件に該当するためには、全ての指定商品・指定役務について、既に使用または使用の準備をしていなければなりません。

 

 

(3)出願人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に既に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、商標法施行規則別表や類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務のみを指定している出願であること

 

①商標法施行規則 別表(第六条関係)、②類似商品・役務審査基準、③商品・サービス国際分類表(ニース分類)のいずれかに掲載されている商品・役務のみを記載することで、それらの一部の商品・役務の使用または使用の準備のみを証明すれば、早期審査の対象となります。

 

 

早期審査に必要な手続き

 

早期審査の申出するためには、「早期審査に関する事情説明書」を提出しなければなりません。

 

説明書では、商標の使用時期や使用場所などを記載して、商標の使用状況を説明し、使用の事実を示す書類なども提出しなければなりません。

 

通常の出願に比べて、手続きがやや複雑となりますが、選定の結果、早期審査の対象となれば、速やかに審査が開始され、その後も遅滞なく審査手続が進行することとなります。

 

プロダクトライフサイクルが短くなりつつある昨今では、このような制度を上手く活用し、早期に権利を確保することも有効な手段のひとつです。

 

弊所では、早期審査による商標登録出願も承っております。
フォームの備考欄に、「早期審査を希望」とご記入の上、お気軽にお問い合わせください。

 

 

飲食店の新しいマーケティング戦略?!

本日は、飲食店を経営の皆さまに、知財の面からの、新しいマーケティング戦略をご紹介します。

 

現在の主なマーケティング戦略

 

現在、飲食店業界では、お客様へどのようなマーケティング戦略がとられているのでしょうか。

 

まず、多くのお店がやっているものの1つに、スタンプカードの発行があります。

これは、一定数のスタンプをためると、割引されたりするもので、次回の来店の動機付けとなり、固定客を増やすアプローチです。

 

また、最近では、SNSの活用があげられます。

普段、お店では見られないスタッフの厨房での働きぶりをFacebookで紹介したり、LINEでお店の公式アカウントを開設し、友だちになってくれたお客様に、クーポンやお知らせを配信するなどという方法です。

このようなお知らせは配信の時間を設定できるので、ランチタイムや退社時間などをねらって配信するのが効果的です。

YouTubeなどの動画サイトで、ジュージューと音を立てる、おいしそうに焼きあがったハンバーグなどの看板メニューを紹介する、というのも、メニューの魅力が伝わる一つの手法でしょう。

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他にも、見開きメニューで迷ったお客様が最終的に目が行く右ページ下部に、セットメニューを表示することで注文をそこへ誘導し、提供時間を短くするなどの工夫や、年齢・性別ごとの顧客管理なども行われています。

 

 

知的財産面からのマーケティング戦略

 

このように、飲食業界では、様々なマーケティング戦略がとられていますが、本日は、知的財産面からのアプローチをご紹介したいと思います。

それは、食品の意匠登録・商標登録です。

 

食品の意匠登録

意匠とは、簡単に言うと、物品に係るデザインのことです。

そして、当該物品には食品も含まれます。

 

例えば、アイスクリームの登録意匠。

(登録第1524332号、権利者:林一二株式会社)

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肉まんの登録意匠。

(登録第1446320号、権利者:岸 久代)

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クッキーの登録意匠。

(登録第1498902号、権利者:レオン自動機株式会社)

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スイカの登録意匠。

(登録第1304011号、権利者:松尾憲一郎)

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こうして見ると、様々な食品について、意匠登録されていることが分かります。

ちなみに、意匠の表し方が写真だったり、図面だったりするのは、意匠の表し方として、図面、写真、ひな形、見本、と多様な方法が認められているからです。

 

意匠権の存続期間は、設定登録日から20年です。

意匠登録をすると、意匠権の権利者は、当該登録した意匠と同一または類似する意匠を実施している者に対し、差止め請求などをすることができます。

また、意匠権は、譲渡性のある財産権でもありますので、ライセンス契約や譲渡などにより、金銭を得ることができる可能性もあります。

 

 

さらに、意匠登録されると、けっこう立派な登録証が届くのです。

額縁などに入れて、これをお店に飾っておくと、お客様も注目されるのではないでしょうか。

 

意匠登録証の例 (特許庁ホームページより引用) 意匠登録証

 

このように、飲食店において、新しく、今までのデザインからは創作するのが難しいような、斬新なデザインのメニューを創作できたときは、そのメニューを排他独占的に実施することができる意匠権取得のチャンスです。

 

 

食品の商標登録

一方、商標は、その商品やサービスが、誰の業務に係るものかを判別するための”目印”です。

したがって、商品やその商品の包装などに付されることが多く、その目印となる商標は、文字のみからなる文字商標(例:コカコーラ)や、ロゴマークなどの図形商標(例:スターバックスのロゴ)など、二次元の文字や図形となるのが一般的です。

しかし、食品そのものが、商標としての機能を有している場合には、その食品自体が立体商標(立体的な形状を有している商標)として、商標登録されます。

 

例えば、 ケーキの登録商標。

(登録第5663067号、権利者:ジェイアール東海フードサービス株式会社)

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煎餅の登録商標。

(登録第4175405号、権利者:株式会社神戸風月堂) 2

 

 

そして、最後に、お肉の商標登録。

(登録第5108436号、権利者:株式会社フルスティームアヘッド) 3  

 

こちらは実際に、お店のWebサイトでも、商標登録されていることをアピールされており、知的財産を営業ツールとして活用されている素晴らしい例の一つです(http://fsa2001.com/?page_id=55)。

今度、ぜひこのお肉を食べたいと思っています。

 

このように、立体商標として、商標登録されている食品もたくさんあります。

商標権の存続期間は、設定登録日から10年ですが、更新をすることができるので、半永久的に存続させることができます。

商標権の権利者が、差止め請求や、ライセンス契約・譲渡などができるのは、意匠権と同様です。

もちろん、商標登録された場合も登録証は届きます。

これもなかなか立派なので、お店に箔がつくのではないでしょうか。

 

商標登録証の例 (特許庁ホームページより引用)

 

 

 

意匠権や商標権は目に見えない無形資産ですが、これらの権利を取得したお店では、他のどの店舗にも真似することのできない、唯一無二の看板メニューを提供することができます。

弊所では、このように、飲食業界の皆さまを知的財産の面からお手伝いさせていただきます。

どうぞ、お気軽にご相談ください。

 

 

地域団体商標とは何ですか?

地域団体商標とは

地域団体商標制度とは、地域ブランドの保護による我が国の産業競争力の強化と地域経済の活性化を目的として、「地域ブランド」として用いられることの多い、地域の名称 と 商品(役務)の名称等からなる文字商標 のことをいいます。

そもそも、地域の名称 と 商品の名称等からなる商標は、地域の名称部分が商品の産地や役務の提供地と看守され、商品の名称はその商品の普通名称であることから、商標全体として、何人かの業務に係る商標であるかを認識することのできない、いわゆる識別力のない、登録できない商標であることが多いのです。

しかし、地域団体商標の場合は、上記目的に鑑み、通常の商標登録出願よりも、登録要件を緩和し、このような構成からなる文字商標を登録することとしました。

 

 

地域団体商標の例

では、地域団体商標には、どのようなものがあるのでしょうか。

例えば、私の出身地、栃木県の地域団体商標としては、次のようなものが登録されています。

商   標: 鬼怒川温泉(登録第5315242号)
権 利 者 : 鬼怒川・川治温泉旅館協同組合
指定役務:  
第43類
 「栃木県日光市鬼怒川地区における温泉入浴施設を有する宿泊施設の提供」
第44類
 「栃木県日光市鬼怒川地区における温泉入浴施設の提供」

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商   標: 益子焼(登録第5595844号)
権 利 者 : 益子焼協同組合
指定商品:  
第21類
 「栃木県芳賀郡益子町に由来する伝統的な技術・技法により栃木県芳賀郡益子町及びその周辺地域で生産された陶磁器製の急須・コップ・杯・ぐい呑・皿・サラダボール・茶わん・徳利・鉢・ビール用のカップ・水差し・湯飲み・飯椀・コーヒーカップ・マグカップ・つぼ・釜飯用の釜と蓋・花瓶・絵皿・飾り壷」

 

商   標: 中山かぼちゃ(登録第5555021号)
権 利 者 : 那須南農業協同組合
指定商品:  
第31類
 「那須烏山市中山地区で生産されたかぼちゃ」

 

いずれも、地域の名称と、その商品名や慣用名称とが結合されている商標であることがご理解いただけると思います。

先ほど、地域団体商標は、登録要件が緩和されていると述べましたが、需要者の間に広く認識されている、という周知性の要件は課されます。

すなわち、地域団体商標として登録されている商品やサービスは、その地域に根差した商品やサービスであって、多くの人々に親しまれているものといえます。

 

 

これからの地域団体商標の活用

以上で説明しました通り、地域団体商標は、地域の特産物や、その地域ならではのサービスを、ブランドとして保護するものです。

最近は、インバウンド需要も高まり、訪日外国人客も過去最高となりました。

これは、すなわち、日本を訪れる外国人が、日本の地域の特産物や地域独特のサービスに触れ、その良さを知る機会も増えているということです。

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最近、日本の地域ブランドが外国で勝手に商標登録されてしまうという事態が増えているのも、グローバル時代となり、外国人が、日本の地域ブランドの品質の高さや、そのブランド自体が有する強力な顧客吸引力を理解するようになってきているからでしょう。

日本の地域ブランドは、外国から見れば、日本という「国」の有するブランドです。

これから、日本の事業協同組合等の団体が、世界で戦っていくためには、このようなブランドに蓄積する世界からの業務上の信用を、地域団体商標により保護し、育てていかなければならないと思います。

地域団体商標が、地域経済の活性化だけでなく、日本の産業競争力強化を目的としている理由はここにあります。

従来、地域団体商標を出願できる団体は、事業協同組合等の特別の法律により設立された組合及びそれに相当する外国の法人に限られていましたが、平成26年8月1日より、登録主体が拡充され、商工会、商工会議所、NPO法人(特定非営利活動法人)並びにこれらに相当する外国の法人も、地域団体商標を出願することができるようになりました。

権利主体となれる団体も増え、今後、ますます地域団体商標の活用が期待されます。

 

 

区分とは何ですか?

商標を出願する際は、その商標を使用する具体的な商品やサービスを指定する必要があります。

 

そして、この商品やサービスを、大まかなジャンルごとに分けたものが、区分です。

区分は、「第○類」のように表示します。

 

たとえば、商品の区分は、

第 3類 シャンプー、化粧品 等

第16類 文房具、書籍 等

第25類 ティーシャツ、靴 等

のように区分されています。

 

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また、サービスの区分は、たとえば、

第35類 広告業 等

第43類 飲食物の提供 等

第44類 マッサージ 等

のように区分されています。

 

この区分数により、弊所手数料 及び 特許庁に支払う印紙代 が変わります。

 手続料金

 

なお、お客様の商標をご使用になる商品・サービスが、どの区分に属するかや、出願時に指定すべき商品・サービスをどれにすべきか等については、弊所にて検討・ご提案させていただきます。

 

ご相談は無料です。
お気軽にお問合せください。

  お問い合わせ

 

指定商品・指定役務とは何ですか?

商標を出願する際には、その商標を使用する商品やサービスを指定する必要があります。

なお、商標法ではサービスのことを「役務(えきむ)」と呼んでいます。

商標登録された際に発生する商標権は、この出願時に指定した商品や役務に基づいて、独占排他的効力を有します。

 
したがって、商品や役務の指定をする際には、商標を使用しようとするご自身の業務範囲の把握と、商品や役務の正しい選択をすることが重要です。

  また、再度、出願する必要がないように、現在行っているものだけでなく、将来の事業範囲に含まれそうな商品や役務も含めて出願しておくことをおすすめします。

   

例えば、飲食業を営んでいる方が、現在のお店のロゴを商標登録したい場合、「飲食物の提供」の役務のみを指定すれば良いように思えます。

しかし、もしそのお店でお持ち帰り用にハンバーガーやお弁当などを提供していれば、上記の役務とは別に、「ハンバーガー」や「弁当」の商品も指定する必要があります。

 

 

 

また、メニューのトレーサビリティを可能にするアプリやサイトを提供するような場合には、「飲食物の提供に関する情報の提供」などを指定することが考えられます。

 
商標出願で、商品や役務のご選択で悩まれた場合は、お気軽に ご相談ください。

 

商標権の存続期間は?

商標権の存続期間

 

商標権の存続期間は、登録日から10年間です。

 

しかし、一定期間内に更新登録の申請をすることで、この商標権の存続期間を更新することができます。

 

すなわち、商標権は半永久的に存続する権利ということができます。

 

商標権を更新できる期間

 

商標権の更新登録申請は、原則として存続期間の満了前6ヶ月から満了日までの間に行う必要があります。

なお、存続期間の満了日から6ヶ月以内であっても、更新登録申請をすることができます。ただし、この場合、特許庁に通常の印紙代の2倍を支払わなければなりません。

(特許庁Webサイトより引用)

更新登録申請の費用

更新登録申請にかかる印紙代は、一括納付(10年間)の場合38,800円×区分数、分割納付(5年間)の場合22,600円×区分数です。

 

弊所手数料につきましては、こちら をご覧下さい。

 

 

ライバル企業の新商品をいち早く知る方法?!

先週、「平成仮面ライダー」のシリーズ17作目、「仮面ライダーゴースト」が、テレビ朝日のサイトで正式発表されました。

 

仮面ライダーゴースト 公式サイト

テレビ朝日

 

仮面ライダーゴーストは、眼魂(アイコン)を使用して、世界の英雄や偉人の力を取得します。

剣の達人・宮本武蔵や、ニュートン、エジソンの力をもったライダーもいるようで、重力を自在に操ったり、光の力をもったライダーなどが登場しそうな予感です。

 

放送開始は、2015年10月からです。

さて、この仮面ライダーゴーストですが、オフィシャルに発表があったのは前記のとおり、つい先週のことです。

しかし、一部の人たちの間では、今年の5月末に、次回作は「仮面ライダーゴースト」ではないか、と話題になっていました。

その理由が、東映の出願した商標登録出願です。

 

商標からバレた新作「仮面ライターゴースト」 

Aol News.

 

このように、商標登録出願は、出願から数か月で公開されますので、他社がどのような商標を出願しているか、そして、その商標をどのような商品やサービスに使用しようとしているのかを、知ることができる可能性があるのです。

 

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商品やサービスのリリース前に、商標登録出願しておくことは、非常に重要です。

しかし、もし、まだその商標を他人に知られたくないような場合は、出願した商標が公開される時期を考慮して、商標登録出願をする必要があるでしょう。

 

 

弊所では、このような他社の商標登録出願のチェックも承っております。
どうぞ、お気軽にご相談ください。

 

 

図形商標の検索方法

東京五輪のエンブレムが問題になっています が、日本で商標登録されている商標を検索する場合、調査はどのようにするのでしょうか。

 

図形商標検索は、特許情報プラットフォームJ-PlatPatの図形商標等検索 から、することができます。

 

そして、図形商標の場合、その図形を構成する要素を抽出して検索します。

 

たとえば、以下の太陽の図形。

 

(J-PlatPatの図形商標等検索画面より引用)

 

こちらの 図形等分類表 を見ると、大分類として1~29まで分類があり、さらにその下位概念として、中分類、小分類、と別れているのがお分かりいただけると思います。

 

この太陽の図形は、

大分類として、「1 天体、自然現象、地図」、

中分類として、「1.3 太陽」、

小分類として、「1.3.2 その他の太陽を表すもの」

が適当だと思われますので、

図形等商標検索の画面 の、「図形等分類1」の欄に、「1.3.2」を入力して検索します。

このように、実際に検索するときは、小分類のコードを入力するのが一般的です。

 

しかし、中分類の「太陽」の下位概念としての小分類には、

「1.3.1 昇る又は沈む太陽」

「1.3.6 風景と太陽」

「1.3.8 動物と太陽」

など、複数の小分類があり、実際には、その図形商標が、どの小分類に属するのか決められないこともあります。

そのような場合は、中分類のまま、「1.3?」 として、後ろに「?」を入れて検索することで、中分類の「1.3 太陽」に含まれる、全ての図形商標を検索することができます。

 

 

また、この図形が必ず太陽に見えるとは限りません。

実際に調査する場合は、「ひまわり」など、他の図形に見える可能性も考慮して、広めに抽出できるように調査します。

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また、図形分類しか入力しませんと、抽出数が膨大となって、調査が難しくなります。

実務では、商標を出願する商品や役務(サービス)の分類コードも入力し、精度の高い調査が行われます。

 

 

 

コードの分類は、難しい部分もありますので、ぜひ、専門家にご相談することをおすすめします。

 

 

Ⓡ と TM と Ⓒ の ちがいって?!

こんにちは、アポロ商標特許事務所の弁理士、荒川です。

さて、皆さまは、お気に入りのブランドに、®マークや、TMマークが付いているのを見かけたことはありませんか。

どちらも商標に関するマークなのですが、この®とTMのちがいは何なのでしょうか。

また、これらは、Ⓒマークとは、どのようにちがうのでしょうか。

 

 

®マーク



®マークは、Regstered (登録された)の頭文字である「R」を丸で囲ったもので、登録商標を意味します。

もともとは、米国特許商標庁で登録されたものを意味していました。

しかし、最近では、日本でもこのマークが登録商標を意味するとの認識が高まり、日本国内でのみ登録されている商標でもこのマークを付けているところもあるようです。

付け方は、商標の右上または右下に、小さく付けることが多いようです。


なお、商標が登録となった場合は、日本の商標法の規定通り、「登録商標」の文字と、その登録番号(第○○○○号)を記載することもあります。

 

 

TMマーク



TMマークは、Trademark (商標) の「T」と「M」をとったもので、この商標は私のものです、というアピールになります。

つまり、TMマークが付されている商標は、登録されているかどうかは不明です。

しかし、例えば、商標出願中の商標にTMをマークを付すことで、これが自社の商標だと主張し、他社の模倣を防ぐ一定の抑止効果を発揮するものではあると思います。

TMマークの付され方も、前記®マークと同様です。




 

Ⓒマーク



Ⓒマークは、copyright (コピーライト、著作権)の「C」を丸で囲ったもので、著作権の表示をしています。

日本は無方式主義を採用しており、著作物の創作と同時に、著作権が発生します。

Ⓒマークは、著作物に付されますので、ホームページの最下段や、マンガの巻末などで見かけることが多いと思います。

 

 

まとめ

以上、3つのマークのちがいを簡単に説明いたしました。

®マークや「登録商標」の文字を表示すると、自社ブランドの管理がしっかりした会社であると認識され、信用強化につながるだけでなく、他人の模倣をけん制するという効果もあります。

また、商標登録は先願主義(早い者勝ち)を採用しています。

大切なブランドは、ぜひ早めに商標登録することをご検討ください。

 

日本における「TED」の登録商標について

こんにちは、アポロ商標特許事務所の弁理士、荒川です。

 

フジテレビがパロディネタにしたTEDの商標登録について 」 という記事が、Yahoo!のトップ記事に掲載されていました。

 

同記事では、フジテレビがプレゼンテーション番組「TED」のパロディネタをやったが、これが「TED」のライセンスを受けていない疑惑があること、及び、一方で、本家「TED」も日本では商標登録をしておらず、東和薬品が商標登録している旨が書かれています。

 

では、実際に、東和薬品の商標をみてみましょう。

登録番号 第5638715号

商標: TED (標準文字)

登録日 平成25年(2013)12月20日

出願日 平成25年(2013)6月28日

存続期間満了日 平成35年(2023)12月20日

権利者 東和薬品株式会社

商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務

第5類 薬剤(農薬に当たるものを除く。)
第16類 印刷物
第36類 医薬品に関する事業への助成金の交付,

      助成金の給付のための調査並びに計画の立案及び運営,

      慈善のための募金
第41類 医薬品に関する知識の教授,

      セミナーの企画・運営又は開催,

      電子出版物の提供
第42類 医薬品の試験・検査・研究又はこれらに関する情報の提供
第44類 医薬品に関する医療情報の提供

 

第41類の、「セミナーの企画・運営又は開催」が、プレゼンテーション番組「TED」の提供するサービスと類似すると思われる部分です。

 

 

では、本家TEDは、もう打つ手なしでしょうか。

今回は、このケースに限らず、自分の使いたい商標が、他人に取られてしまっていた場合、どのような手段があるのか、考えてみたいと思います。

 

まずは、前記記事でも記載のある通り、ライセンスや一部譲渡などが考えられます。

友好的な解決手段で、お互いに合意があれば、スムーズに解決します。

 

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つぎに、商標登録を無効にすることが考えられます。

他人の登録商標に、無効になるような理由が存在した場合には、無効審判を請求し、遡及的に消滅させる手段です。

しかし、この場合は、言わずもがな、敵対的手段となり、他人の商標の出願時に、自分の商標が既に周知・著名であった、などの無効理由を証明するのも、なかなか困難でしょう。

(同様の手段として、登録から間もない時期ならば、異議申立ても考えられます。)

 

 

そして、取消をすることが考えられます。

登録から3年以上継続して使用されていない場合には、不使用取消審判を請求することができます。

また、当該他人の商標の使用に不正な使用があった場合には、不正使用取消審判を請求することができます。

ただし、これらの場合は、登録日から消滅するわけではなく、審判請求登録の日や、審決確定の後に消滅することに注意が必要です。

 

この他、自分の商標態様や、商品・サービスを非類似のものに変更するなど、争いを避ける方向の手段も考えられます。



このように、いくつか対抗手段をあげましたが、基本的には、やはり自分の使用する商標は、あらかじめ調査をし、自分で商標登録をしておくことが大切です。

1区分であれば、10万円前後で登録できてしまいます。

このお金は、後に商品名・サービス名の一からの変更を迫られた場合の費用や、損害賠償請求されてしまった場合の費用に比べたら、安いものだと思います。




自己の商標を安心して使用するためにも、商標登録をおすすめします。